nearproの日記

特に意味はありません。主に読んだ本をただただ記録します。

マノン・レスコー(騎士グリュウとマノン・レスコーの物語)

マノン・レスコー (新潮文庫)

マノン・レスコー (新潮文庫)

 

1731年発表のアベ・プレヴォーのロマン主義文学の名作。またの名を、不朽の童貞小説。主人公のぼんぼんリュウが娼婦マノンに恋し、お金を巻き上げられては捨てられ、悪事に手を染めながらもお金を作り、マノンを奪えばまた逃げられ、ようやく結ばれた二人だが、逃避行のうちにアメリカの荒野でマノンはグリュウに抱かれたまま死ぬ。

 

とにかく、主人公のグリュウが童貞。愛に対してまっすぐ。ただ、人間臭い。逃げられたら悪態をつくし、マノンがクソビッチと認識している。でも、やっぱり好き。

 

一生懸命女の子を誘っているのに、女の子から気のない返事をもらって、二度と顔なんて見たくない、くそあま、ばかやろう、そう思いながら、次の日、学校で彼女をみると、そんな想いなんてすっかり忘れて、好きだと思ってしまう。優しい言葉をかけられたら、ますます好きで仕様がなくなる、洋の東西も問わず、今も昔も変わらず、男はそんなもんだと思う。

 

ぼくのような心をだますなんて、きみにはいともたやすいことなんだろうね。きみに喜ばれ、きみに屈従することを唯一の幸福としているような、そんなぼくの心を、きみは絶対的に握っていたんだから。