nearproの日記

特に意味はありません。主に読んだ本をただただ記録します。

肉体の悪魔

肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)

肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)

 

三島由紀夫が陶酔したラディゲの代表作。

大人ぶった少年が年上の人妻と不倫をして、子供を作って、自分と同じ名前を付けさせ、人妻は突然死ぬ。少年と少女の甘酸っぱい青春。恋に目覚めて恋を知り、やがて人生を知るその過程が素晴らしい。

 

もし愚かな青春があるとすれば、怠惰だったことのない青春だろう。教育制度の欠点は、人数が多いという理由で、平凡な人間たちのために作られていることだ。変化する精神には、怠惰など存在しない。はたから見れば空っぽに見えるこの長い日々ほど、僕が多くを学んだことはかつてなかった。