nearproの日記

特に意味はありません。主に読んだ本をただただ記録します。

誰か故郷を想はざる

誰か故郷を想はざる (角川文庫)

誰か故郷を想はざる (角川文庫)

笑える。特に「へっぺ」のところは深くにも大笑いしてしまった。どこまでが本当でどこまでが嘘なのか、わからない。わからないのだけど、寺山修司が体験をいかに大切に扱っていたかを垣間見れた。自分自身の体験を圧倒的な知識で、まるで自分に語るかのように説明していく。その様を観客席から呆然と眺めているような気持ちになった。

第一章は「誰か故郷を想はざる」はよりその気が強い。逆に第二章は「東京エレジー」はキャッチーに読者に呼びかけているように思った。

あるときは勝って喜び、あるときは負けてくやしがるのが人生であり、それを決して「平均」しないところに、一喜一憂の恍惚と不安があるのである。