nearproの日記

特に意味はありません。主に読んだ本をただただ記録します。

和泉式部

和泉式部 (コレクション日本歌人選)

和泉式部 (コレクション日本歌人選)

「百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる」と寺山修司の言葉にあるが和泉式部はさながら「千年たったら帰っておいで 千年たてばその意味わかる」である。

紫式部に「恋の歌は確かに巧いかもしれないけど、実際ただの色情魔」と言われるくらいで、和泉式部の歌は当時としてはかなりセンセーショナルなものだったのだろう。しかし、いまだに、その情熱的な恋歌で短歌キッズの心を掴んで離さない。人が人を恋うきもちというのが1000年前から変わらないという事実に僕は感動すら覚える。

これを読んで興味が沸いた人は、ぜひ岩波文庫和泉式部集の復刊をリクエストするべし。

君恋ふる心は千々に砕くれど一つも失せぬものにぞありける

君を恋い慕う心は粉々に砕けてしまったけれど、一つも無くなることなく、今も私の心に残っています。