nearproの日記

特に意味はありません。主に読んだ本をただただ記録します。

辞世の歌

辞世の歌 (コレクション日本歌人選)

辞世の歌 (コレクション日本歌人選)

死を前に詠んだ歌というものは言葉に尽くせない強さがある。死というのはそれほど人にとって大きな出来事であって、生きている人間にとっては永遠に想像の出来ない世界だからか。

色んな死に方があるもんだなぁと思いながら読んでいたが、それでも心が揺さぶられるような歌は正直無かった。僕にとっては、どうも死の前の歌よりも、恋に敗れた歌のほうが心が揺さぶられるらしい。

僕にとって死より恐ろしいのは、あの娘からの拒絶である。そして、僕はそれを求めて生きている気がした。

それぞ辞世さるほどにさてもその後に残る桜が花し匂はば(近松門左衛門

潔い。