nearproの日記

特に意味はありません。主に読んだ本をただただ記録します。

あゝ、荒野

あゝ、荒野 (角川文庫)

あゝ、荒野 (角川文庫)

それぞれの孤独を抱えた登場人物たちが、その孤独の中で生きていく。ありきたりな感想になるけど、それぞれの夢をもち希望に生きる孤独者が、荒野の先に求めているのは誰かとの繋がりなのかもしれないなぁと思った。

作者自身が「ふだん私たちの使っている、手垢にまみれた言葉を用いて形而上的な世界を作り出すこと」を意図していて、寺山修司のもつ才能(短歌・演劇・ボクシング・競馬・芸能・詩……)が存分に切り貼りされているのが印象的。

私は、何時までキャッチ・ボールを見ていても飽くことはなかったが、いくら見ていても局外者であることに、かわりはなかった。