辞世の歌
- 作者: 松村雄二,和歌文学会
- 出版社/メーカー: 笠間書院
- 発売日: 2011/05/06
- メディア: 単行本
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死を前に詠んだ歌というものは言葉に尽くせない強さがある。死というのはそれほど人にとって大きな出来事であって、生きている人間にとっては永遠に想像の出来ない世界だからか。
色んな死に方があるもんだなぁと思いながら読んでいたが、それでも心が揺さぶられるような歌は正直無かった。僕にとっては、どうも死の前の歌よりも、恋に敗れた歌のほうが心が揺さぶられるらしい。
僕にとって死より恐ろしいのは、あの娘からの拒絶である。そして、僕はそれを求めて生きている気がした。
それぞ辞世さるほどにさてもその後に残る桜が花し匂はば(近松門左衛門)
潔い。