建てましにつぐ建てましポルカ
ヨーロッパ企画 第32回公演『建てましにつぐ建てましポルカ』 WebCM - YouTube
京都公演を観に行った。ヨーロッパ企画第32回公演。
前田建設ファンタジー営業部以来、気になっていた吉川莉早さんが客演で出ているということでテンションは高め。
今回は迷路コメディということで、舞台はお城。なぜかパーティ会場に帰れなくなった貴族のお話。どこかブニュエルの『皆殺しの天使』や『ブルジョアジーの秘かな愉しみ』に通じるものがある。
まだ本公演が終わっていないのであらすじをつらつら書くのもあれなので、感想というか、思ったことをざっくり書くと、
- 伝統に縛られる愚かさ
- 情報をもつ者が強いということ
- 事なかれ主義、日和見主義、真実を見ないこと
に対する風刺を感じた。(コメディに意味を求めることがナンセンスかもしれないけれど)
貴族と乞食という伝統社会での上下関係が、迷路においては全く意味を成さないどころか、道を知っている乞食がこの迷路においては強者であり、ある瞬間から上下関係が変わるパラダイム・シフトを観客が目にするところが、非常に良く出来ていると感じた。
ただし、人生も迷路だとすると、乞食(新しいパラダイム)に教えを乞うだけの人生というのもつまらない気もする。そして、忘れてはいけないのは、乞食が道を知っているのは、舞台が始まる前からその場所を何度も歩いていたからだということである。